英語の定期テストは、単語の暗記だけでなく文法知識,リスニングのように幅広い内容の学習が求められます。試験範囲が配布されるのはテスト2週間前。限られた時間でまんべんなく実力をつけていく必要があります。
この記事では、効率的な勉強法や問題集の活用方法、4技能をカバーする方法を詳しく解説します。英語で苦戦している人はぜひ参考にしてみてください。
英語学習の特徴と他科目との違い
英語は積み重ね型の教科で、1回の定期テスト範囲で覚えた単語や文法がその後の授業や次回テストにも直結します。放置すると理解不足が積み重なり、次の単元や学年末テストで苦労することにつながりやすいです。また数学のように「1つの公式を理解すれば解ける」タイプではなく、次のような4技能を並行して伸ばす必要があります。
- 単語や熟語
- 発音・リスニング
- 文法
- 長文読解能力
※教科書授業では「聞く・話す(やり取り・発表)・読む・書く」の技能をバランスよく育てることが示されています。
小学校段階から児童の発達の段階に応じて,「聞くこと」,「読むこと」,「話すこと[やり取り]」,「話すこと[発表]」,「書くこと」の五つの領域ごとに,「知識及び技能」と「思考力,判断力,表現力等」を一体的に育成する目標を設定している。中学校の外国語科においては,複数の領域を効果的に関連付ける統合的な言語活動を十分視野に入れたものとしている。
文部科学省「中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 外国語編」
暗記中心の科目と比べ短期間詰め込み型では伸びにくいため、毎日の積み重ねが特に効果を発揮します。
この積み重ねを効率よく行うためには、まず何を優先して覚え、どのように定着させるかを押さえることが重要です。次からは、その具体的なポイントを分野ごとに見ていきましょう。
単語・熟語は繰り返し覚えることが重要
英語の定期テストで点数を上げるには、単語・熟語の習得が土台になります。これらの語彙は文章の理解や文法問題の正解に直結し、覚えた語彙量が多いほど問題がスムーズに解けます。単語・熟語は一度で覚えきるのは難しいため、短時間でも繰り返し確認する習慣が重要です。
リスニングの練習時間を確保しよう
英語の定期テストではリスニング問題が出題されることが多いです。聞き取る力は短期間で身につけにくいため、日常的に専用の学習時間を設けることが重要です。教科書のCDやスマホアプリの音声を活用し、集中して繰り返し聴く習慣を作りましょう。また、通学時間や休憩時間などのスキマ時間を利用して音声に触れることも効果的です。継続的なリスニング練習が定期テストの得点アップにつながります。
文法は段階的に理解・定着させる
英語の文法は積み重ねが大切で、基礎の文法から段階的に理解を深めることが得点安定のポイントです。最初は教科書の基本文型や時制の使い分けをしっかり押さえ、その後に応用的な文法事項へ進む流れが効果的です。無理に一気に詰め込むのではなく定期テスト範囲ごとに焦点を絞って理解し、テスト直前に全体を復習することで定着が進みます。文法問題は反復練習で解き方のパターンを覚えることも重要です。
テスト2週間前からの集中スケジュールと効率的な勉強法
中学の英語定期テストで短期間に点数を上げたい人向けに、2週間前から実行できる具体的なスケジュールと勉強法を紹介します。以下のステップで進めると、効率的に得点力を伸ばせます。
- 2週間前(範囲表を受け取ったら)
- 範囲の全単元をざっと把握する
- 苦手単元・提出物・過去の間違いをリスト化し、優先順位を決める
- 10日前から
- 単語・熟語の反復練習する
- 範囲の主要文法を確認する
- 1週間前
- ワークや問題集の2周目で理解チェックする
- リスニング・英作文の対策も開始する
- 前日〜当日
- 弱点補強と暗記事項のメンテナンスをする
それぞれの時期にやるべきことを詳しく解説していきます。
2週間前:範囲表をもらったら最初にやること
テスト範囲表を受け取ったら、まず「全体像の把握」と「優先順位の設定」が重要です。具体的には、
- 範囲の全単元をざっと見て、理解度の高い分野と苦手な分野を分ける
- 苦手分野や過去に間違えた問題がある単元を特に重点的に復習計画に組み込む
- 教科書やワークのどのページに何が載っているかを把握し、学習計画を立てる
この段階でスケジュールを組むことで、効率よく学習を進められます。焦らず冷静に範囲を整理することが成功の第一歩です。
「何が苦手なのかもわからない!」そんなときは…
まずは「動いてみる」のが良いでしょう。定期テストに合わせて学校から提出物の指示が出ている場合はそこから手を付けていきましょう。大半はテスト範囲を網羅する形で指示されていると思うので、提出物を通して「ここが苦手…」というポイントを感じ取れるでしょう。
また、教科書の出版会社がリリースしているCAN-DOリストなどを活用してみるのも1つの手です。教科書によって提供されているツールは異なりますが、採択されている教科書の出版会社HPはチェックしてみましょう。
教科書紹介やツールURL(抜粋)
光村図書「Here We Go! 教科書情報・教員向け資料」
東京書籍「令和7年度 年間指導計画作成資料」(CAN-DOリストなど)
10日前:単語・熟語の反復暗記と文法チェック
テスト10日前は、単語や熟語の暗記を中心に勉強を進めましょう。語彙力が英語の理解全体に直結するため、毎日繰り返し短時間でも覚えることが大切です。同時に、教科書やワークで学んだ文法事項の確認も欠かせません。苦手な文法は問題集やまとめノートを活用して重点的に復習し、定着を図ります。暗記と理解のバランスを取りながら、無理なく計画的に進めることがポイントです。
1週間前:ワーク2周目+リスニング・英作文対策
テスト1週間前は、学校のワークや問題集を2周目に進め理解度をしっかりチェックしましょう。1周目でわからなかった部分やミスを重点的に復習することが重要です。
またリスニング専用の学習時間を確保し、教科書の音声やアプリを活用して繰り返し聞く習慣をつけます。
英作文は定型表現やよく使うフレーズの練習を中心に行い、書く力の底上げを図りましょう。これらを並行して進めることで、得点アップにつながります。
リスニング専用学習時間の作り方
リスニング力を効率よく伸ばすには、専用の学習時間を意識的に確保することが大切です。またリスニングは、手がふさがっている環境でも学習ができるのが特徴です。学習のポイントとしては次の通りです。
- 毎日決まった時間にリスニング練習を組み込み、習慣化する
- 10分〜15分の短時間でも継続することで効果が出やすい
- 教科書の音声や問題集のCD、スマホアプリの音声を活用する
- 集中できる環境で聴き、聞き取れなかった箇所は繰り返し再生して確認する
リスニングに使える!教科書準拠音声
教科書にQRコードなどが掲載されていることが多いですが音声配信サービスもあります。これらの音声は、教科書の内容に準拠しており、リスニング対策や音読練習に役立ちます。ダウンロード後は、PCやスマートフォンで繰り返し再生し、リスニング力の向上を図りましょう。
英語リスニング音源配信サービスへのリンク(抜粋)
「NEW HORIZON」(東京書籍)
NEW HORIZON 1,NEW HORIZON 2,NEW HORIZON 3
「Here We Go!」(光村図書)
Here We Go! 1,Here We Go! 2,Here We Go! 3
「NEW CROWN」(三省堂)
NEW CROWN 1,NEW CROWN 2,NEW CROWN 3
※音声のダウンロード・配布は出版社の利用規約に従ってください。
前日〜当日:弱点補強と暗記事項のメンテナンス
テスト前日と当日は、これまでの勉強で見つかった弱点の最終チェックに集中しましょう。弱点部分はノートや間違えた問題を見返し、重点的に復習することで自信をつけます。この時期になると理解に時間がかかる文法知識より、単語などの暗記事項を1つでも多く覚える方が効率的です。
部活が忙しい…そんなときでもできる短時間勉強法
部活で忙しい中学生でも、短時間で効率よく英語の定期テスト対策を行うには以下のポイントを考えてみましょう。
- 隙間時間の活用
通学時間や休憩時間など、5〜10分の短い時間を使って単語や熟語の確認を行う。 - 集中して短時間で終わらせる
苦手な単元や頻出問題に絞って学習して効率を上げる。 - 繰り返し学習の習慣化
毎日少しずつでも繰り返すことで記憶の定着を促進し、短期間で効果を上げる。
忙しくても継続できる工夫を取り入れ、計画的に進めることが点数アップのカギです。
学校ワークと問題集の活用ポイント
学校で配布されるワークや問題集は、中学の英語定期テスト対策で効率の良い基本教材です。限られた準備期間でも点を伸ばすために、使い方のコツを押さえましょう。
- 2周以上の反復が理想
1周目は内容をざっと把握し、2周目以降で理解度を深めて間違いを潰す。 - 間違い直しノートを活用
間違えた問題をただ直すだけでなく、なぜ間違えたかの理由や正しい解法を書き込むことで理解が定着。
こうした工夫を通じて、学校ワーク・問題集の活用効率を高め、短期間での得点アップを目指しましょう。
2周以上が理想!1周目は全体把握、2周目で理解チェック
学校ワークや問題集は、1周目でまず全体の内容をざっと確認しましょう。ここでは、問題の出題傾向や自分が苦手な部分を把握することが目的です。
2周目以降は特に間違えた問題や曖昧な部分を重点的に復習し、理解を深める時間に充てます。この段階で間違い直しノートを作ると効果的です。
2周以上繰り返すことで、知識が定着し、テスト本番でのミスを減らせるため、焦らず着実に進めることがポイントです。
間違い直しのノート術でミスを減らす
テストで同じミスを繰り返さないためには、間違い直しノートの活用が効果的です。間違えた問題をただ直すだけでなくなぜ間違えたのか原因を分析し、解き方やポイントを自分の言葉で書き残しましょう。例えば、「この文法のルールを忘れていた」「単語の意味を勘違いしていた」など具体的に記すことで、復習時に理解が深まります。この習慣を続けることで、定期テストでのミスを着実に減らせます。

ノートだと大変!という人は間違えた問題の近くにメモを残すだけでも効果的です。
まとめ|効率的な英語定期テスト対策で点数アップを目指そう
英語の定期テストで高得点を狙うには、計画的かつ効率的な学習が不可欠です。本記事で解説したポイントを振り返りましょう。
これらの方法を継続して実践すれば、内申点アップや本番の点数向上につながります。ぜひ、自分のペースや生活スタイルに合った学習計画を立てて、着実にステップアップしてください。