1月も下旬に入り、公立高校の出願が終了しました。出願が終了したタイミングで神奈川県より出願時点での倍率が公表されています。公表された資料を基に、今年度の入試傾向について見ていきます。
神奈川県の公立高校入試はこの後の志願変更期間を経て、いよいよ試験です。最後の出願校決定の材料としてお役立てください。
倍率に関する記事はこちら!
令和8年度 出願時倍率の分析
全県の出願倍率はダウン
出願時の全体倍率は1.11倍と前年度倍率(1.17倍)より低倍率となりました。要因としては志願者数が2,000人ほど減少した点が挙げられます。今年より私立高校の無償化がスタートしたことが大きいかと思います。私立高校のデメリットの1つであった「授業料の高さ」が軽減されたことにより、私立高校を第1志望にする動きが出たのではないかと思います。
過去数年、神奈川県の平均倍率は1.20倍でしたが、今年は倍率が下がる方に動くのではないかと思います。
| 令和8年度入試 | 令和7年度入試 | |
|---|---|---|
| 出願締切時の志願者数 | 43,852人 | 46,104人 |
| 募集定員 | 39,431人 | 39,395人 |
| 平均倍率 | 1.11倍 | 1.17倍 |
出願時倍率トップ10
高倍率高校は特色検査(自己表現検査)を実施する難関校がほとんどを占めます。横浜翠嵐・湘南・多摩は県内トップの倍率が続いています。一方、前年入試倍率でトップ10に入らなかった高校としては、横浜緑ケ丘・市立幸・希望ケ丘・七里ガ浜が挙げられます。特に市立幸・七里ガ浜については特色検査実施校ではないため、動きとしては気になるところです。
令和8年度 出願時倍率トップ10
| 高校 | 令和8年度 出願時倍率 | 令和7年度 受験時倍率 |
|---|---|---|
| 横浜翠嵐 | 2.28倍 | 2.00倍 |
| 多摩 | 1.86倍 | 1.64倍 |
| 湘南 | 1.75倍 | 1.59倍 |
| 新城 | 1.70倍 | 1.79倍 |
| 横浜緑ケ丘 | 1.70倍 | 1.44倍 |
| 市立幸 | 1.64倍 | 1.23倍 |
| 柏陽 | 1.57倍 | 1.52倍 |
| 希望ケ丘 | 1.55倍 | 1.42倍 |
| 七里ガ浜 | 1.53倍 | 1.31倍 |
| 市立橘 | 1.52倍 | 1.53倍 |
また、このような高倍率の高校は志願変更が発生しやすく、受験時には倍率が下がっている場合が多いです。下がり幅にはばらつきがありますが、0.15~0.25倍ほど下がる高校も珍しくありません。
令和7年度入試 出願倍率トップ10の倍率変化
| 高校 | 令和7年度入試 出願時倍率 | 令和7年度入試 受験時倍率 | 変動幅 |
|---|---|---|---|
| 横浜翠嵐 | 2.22倍 | 2.00倍 | -0.22 |
| 新城 | 2.05倍 | 1.79倍 | -0.26 |
| 多摩 | 1.85倍 | 1.64倍 | -0.21 |
| 岸根 | 1.80倍 | 1.48倍 | -0.32 |
| 湘南 | 1.76倍 | 1.59倍 | -0.17 |
| 市立橘 | 1.75倍 | 1.53倍 | -0.22 |
| 大和 | 1.68倍 | 1.54倍 | -0.14 |
| 柏陽 | 1.59倍 | 1.52倍 | -0.07 |
| 茅ケ崎 | 1.58倍 | 1.40倍 | -0.18 |
| 横浜緑ケ丘 | 1.54倍 | 1.44倍 | -0.10 |
出願時倍率が上昇した高校
昨年度の同時期と比べて出願倍率が0.1ポイント上昇した高校は、定員割れを除き22校ありました。中でも市立幸・松陽は0.4ポイント以上の大幅上昇となり、出願が集中しています。これらの高校は受験時倍率が前年より下がっています。競争率が下がったところに出願が集中する、いわゆる「隔年現象」が発生していると思われます。
出願時倍率が0.1ポイント以上上昇した高校
| 高校 | 令和8年度 出願時倍率 | 令和7年度 出願時倍率 |
|---|---|---|
| 市立幸 | 1.64倍 | 1.19倍 |
| 松陽 | 1.42倍 | 0.99倍 |
| 大和西 | 1.19倍 | 0.95倍 |
| 茅ケ崎北陵 | 1.42倍 | 1.19倍 |
| 市立戸塚 | 1.25倍 | 1.03倍 |
| 横須賀大津 | 1.19倍 | 0.96倍 |
| 足柄 | 1.02倍 | 0.81倍 |
| 大磯 | 1.35倍 | 1.16倍 |
| 七里ガ浜 | 1.53倍 | 1.34倍 |
| 津久井浜 | 1.17倍 | 0.99倍 |
| 横浜瀬谷 | 1.14倍 | 0.97倍 |
| 横浜緑ケ丘 | 1.70倍 | 1.54倍 |
| 麻溝台 | 1.15倍 | 0.99倍 |
| 厚木 | 1.28倍 | 1.13倍 |
| 横浜平沼 | 1.45倍 | 1.30倍 |
| 光陵 | 1.30倍 | 1.17倍 |
| 鶴見 | 1.23倍 | 1.11倍 |
| 秦野 | 1.10倍 | 0.99倍 |
| 市立桜丘 | 1.22倍 | 1.11倍 |
| 市立高津 | 1.33倍 | 1.23倍 |
| 県立川崎 | 1.35倍 | 1.25倍 |
| 厚木北 | 1.11倍 | 1.01倍 |
難関校の出願時倍率
自己表現検査を実施する学力向上進学重点校(およびエントリー校)の平均倍率は1.44倍で前年と比べると-0.04倍とわずかながら下がりました。また、進学重点校8校とエントリー校10校の平均倍率には開きがあります。進学重点校8校の平均倍率は1.61倍でほぼ横ばい、エントリー校10校の平均倍率は1.30倍(前年比-0.08倍)となりました。
| 高校 | 令和8年度 出願時倍率 | 令和7年度 出願時倍率 | 増減 | |
|---|---|---|---|---|
| 学力向上進学重点校 | 横浜翠嵐 | 2.28倍 | 2.22倍 | +0.06 |
| 湘南 | 1.75倍 | 1.76倍 | -0.01 | |
| 柏陽 | 1.57倍 | 1.59倍 | -0.02 | |
| 厚木 | 1.28倍 | 1.13倍 | +0.15 | |
| 川和 | 1.32倍 | 1.49倍 | -0.17 | |
| 横浜緑ケ丘 | 1.70倍 | 1.54倍 | +0.16 | |
| 多摩 | 1.86倍 | 1.85倍 | +0.01 | |
| 小田原 | 1.14倍 | 1.28倍 | -0.14 | |
| エントリー校 | 希望ケ丘 | 1.55倍 | 1.46倍 | +0.09 |
| 横浜平沼 | 1.45倍 | 1.30倍 | +0.17 | |
| 光陵 | 1.30倍 | 1.17倍 | +0.13 | |
| 横浜国際(国際) | 1.12倍 | 1.60倍 | -0.48 | |
| 横須賀 | 1.30倍 | 1.42倍 | -0.12 | |
| 鎌倉 | 1.24倍 | 1.44倍 | -0.20 | |
| 茅ケ崎北陵 | 1.42倍 | 1.19倍 | +0.23 | |
| 平塚江南 | 1.13倍 | 1.36倍 | -0.23 | |
| 大和 | 1.25倍 | 1.68倍 | -0.29 | |
| 相模原 | 1.25倍 | 1.19倍 | +0.06 | |
| 平均倍率 | 1.44倍 | 1.48倍 | -0.04 | |
まとめ|出願時の倍率をどう生かすか
試験を前に第1志望校の倍率が高いと不安に感じる人も多いのではないかと思います。倍率を受け、志望校を変えるのか、そのまま第1志望校に挑戦するのかの選択を迫られます。難しい判断です。
判断のポイントは「志願変更先」と「私立併願校」の比較です。併願校でも十分魅力のある高校であれば、不安なく第1志望に挑戦することができると思います。一方で志願変更を行う場合は「第1志望を受験しなかったことに対しての後悔が無いか」を考える必要もあります。
3年間の高校生活を決める勝負の入り口。入試問題とは異なり正解が無い問いです。自分なりの正解を導き出して最高の高校生活を勝ち取りましょう。


