どんな入試?公立高校入試の傾向と対策|特徴や出題傾向を徹底解説

どんな入試?公立高校入試の傾向と対策|特徴や出題傾向を徹底解説 「入試に備える」

神奈川県の公立高校入試は、独自の制度や選抜方法があります。​内申点と学力検査のバランス、特色検査の導入など、多様な評価基準が設けられています。​

この記事では、

  • 現在の入試制度
  • 最新の出題傾向

といった入試に向けた重要な情報を網羅的に解説します。​

入試制度の現在の仕組み

現在の入試制度では、共通選抜と定通分割選抜が実施されています。​共通選抜では、学力検査、調査書、特色検査などを総合的に評価し、合否を判定します。​また、特色検査の位置づけが明確化され、各高校の特色に応じた選抜が行われています。

定通分割選抜とは…?
定時制と通信制高校で使われる募集制度です。これらの学校では「共通選抜(全日制の募集方法)」と「定通分割選抜」2回の募集が行われます。募集定員の80%を共通選抜で、残りを定通分割選抜で募集します。

学力検査の平均点と難易度の推移

過去5年間の学力検査の平均点はこんな感じです。

科目別平均点推移(2025版)
5科合計平均点推移(2025版)

出典:神奈川県教育委員会「神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」

特徴としては

  • 国語の平均点は例年高い⇒落とすと差がつきやすい
  • 数学は平均点の変動が小さい⇒大体これくらいとればOKがわかりやすい
  • 英語は平均点が低めだがとる人はとる⇒差がつきやすい
  • 理科は平均点が低下傾向(一時簡単になったがやはり理系離れ…?)
  • 社会は難化傾向だったが最近の入試で易化(理数難化の調整?)
  • 難化する科目があればその分易化する科目がある

細かい出題傾向は各科目ページを見てください!

特色検査とは?実施校・形式・対策法

特色検査は、調査書や学力検査では測りきれない資質や能力を評価するための検査です。「実技検査」「自己表現検査」「面接」の3つの形式があります。実施内容は特色検査を実施する高校によって違います。

  • 実技検査:​音楽や美術などの実技を評価。
  • 自己表現検査:​与えられたテーマについて、自分の考えをまとめて記述。
  • 面接:​志望動機や将来の目標などについての口頭試問。​

理系・文系で有利・不利はある?

神奈川県の公立高校入試では、特定の科目に偏った優位性は設けられていません。​しかし平均点の推移をみる限り、理系を主力とする人にとっては苦しい入試であるように感じます。特に数学は一定の点数までは取りやすく、高得点が狙いにくい出題が続いています。また、特色検査の問題選定や学校ごとの選抜方法(傾斜配点)によって、理系・文系の傾向が見られる場合があります。

傾斜配点とは…?
神奈川県の選考基準をベースにしつつも、一部科目の内申点や学力検査を重視するような基準を設定している場合があります。導入している高校は一部です。傾斜内容は高校ごとに違い、特色が表れます。

例(令和7年(2025年)入試)

  • 市ヶ尾高校:1次選考の内申において、実技科目の最も高い内申を2倍
  • 神奈川総合高校(個性化):学力検査において、最も点数が高い科目を2倍

など…

入試に求められる力とは

神奈川県の公立高校入試では、以下のような力が求められます。

  • 知識及び技能:​各教科の基本的な知識や技能。
  • 思考力・判断力・表現力:​与えられた課題に対して、自分の考えを論理的にまとめ、表現する力。

※参考資料:神奈川県教育委員会「神奈川県公立高等学校入学者選抜制度改善方針 説明資料」

E先生
E先生

内申の「観点別評価」と同じ項目ですね。「主体的に学習に取り組む態度」は二次選考の評価項目になっています。

入試に向けて…気を付けたいこと

早い段階の模試で志望校を決める

早い時期の模試の結果を重く見ないようにしましょう。特に中3前半に実施される模試は、中学校の学習内容が終わっていないため内容が限られます。入試対策を本格的に始めていくと、少しずつ模試の結果も変わってきます。その上で模試の結果を参考に合格可能性を見ていきましょう。

E先生
E先生

志望校を上げるのは大変だけど、下げるのはいつでもできます。早い段階では少し上の高校を見据える方が良いでしょう。

特色検査を軽視する

特色検査は実施校において合否に大きく関わる場合があります。選考基準で特色検査の比率が「2」に設定されている学校は特に注意です。過去問に取り組み、テーマに応じた自己表現や論理的思考のトレーニングをしておくことが重要です。

内申点対策を後回しにする

神奈川県では内申点の比率が高い高校も多く存在します。特に2年生後半からの定期テストや提出物、授業態度が評価に直結します。早めに「内申を意識した生活」を送ることが求められます。

まとめ

神奈川県の公立高校入試は多角的な評価が行われる入試です。内申のような「日頃の学習姿勢や能力」、学力検査のような「知識の活用能力」さまざまな要素がかかわります。それぞれの要素(学力検査・特色検査・面接・内申点)をひとつひとつ対策していきましょう。学校の特色や自分の特性をふまえ、入試本番に向けて戦略的な準備が大切です。