公立高校 vs 私立高校 どっちがいい?神奈川県の高校受験で後悔しない選び方

公立高校 vs 私立高校 どっちがいい?神奈川県の高校受験で後悔しない選び方 「高校を選ぶ」

「公立?私立?」多くの保護者と中学生が一度は抱える悩みだと思います。
学費や進学実績、学校の雰囲気まで、それぞれに良さがある一方で、違いも明確です。

この記事では、神奈川県の公立高校と私立高校の特徴・違いを解説します。自分に合った高校を選ぶための視点をお伝えします。

神奈川県の高校受験の全体像

公立・私立の受験スケジュールの違い

私立高校の入試が公立高校よりも早く行われます。

公立高校・私立高校の受験スケジュール

 受験日合否発表
私立(推薦入試)1月下旬受験日の翌日が多い
私立(推薦入試以外)公立受験の3~1日前が多い受験日の翌日が多い
公立2月14日付近2月末

公立を第一志望にする場合は「確実に入学できる学校」が必要です。私立の合格発表が公立の出願前に出るため、併願校は“すべり止め”として機能します。

神奈川県の併願パターンの基本

多くの中学生がとる併願パターンは以下の通りです

併願パターンチャート

私立高校は併願優遇制度を設けている学校が多く、出願基準を満たせば合格の確約が得られる入試制度もあります。確約があれば公立高校を安心して受験できます。
パターン③は注意が必要です。併願優遇を活用する高校が「他の私立高校との併願を認めない」場合があります。出願条件と併せて確認が必要です。
この3パターンをベースにさらに私立高校の受験を増やすことも可能です。その場合は「受験スケジュールの密度」「受験対策がしっかりできるか」を考えておきましょう。

E先生
E先生

個人的には4校以上の受験はいらないと思います。『本当にその高校に行きたいか?』をしっかり考えて受験校を絞りましょう。

公立高校のメリット・デメリット

公立高校のメリット

学費が安い(実質無償)

神奈川県の公立高校では、授業料は国の「高等学校等就学支援金制度」により実質的に無償です(所得制限あり)。

参考ページ
神奈川県HP「高等学校等就学支援金制度(公立)」
(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/en7/cnt/f533737/index.html)

地元の生徒が多く、通学しやすい

地域ごとに学力層の異なる公立高校が多いです。そのため自分の学力に合う高校が近くにある場合が多いです。通学時間が短いことや環境に慣れやすいのがメリットとしてあります。

学力層が幅広く、個性の多様性がある

私立高校と比べるとクラスの細分化はされていないので、幅広い学力層の生徒が集まります。部活動や行事に力を入れている学校も多いです。「ひたすら勉強!」といった校風の高校は少なく、学校生活がバランスよく送れます。

公立高校のデメリット

教育環境に制限がある場合も

公立高校では教員数や設備面において私立高校ほどの柔軟性がありません。そのため、ICT機器の導入状況や建物などの設備面などで差が出ることがあります。

指導方針が画一的になりやすい

公立高校は学習指導要領に基づいた教育が基本となるため、独自色の強いカリキュラムや探究活動に制限があることも。私立のようにコースが細分化されていない高校が多く、「国公立大特化」などの指導方針がとりにくい環境であるといえます。自由度の高い教育を求める場合、私立に比べて選択肢が少なく感じるかもしれません。

私立高校のメリット・デメリット

私立高校のメリット

進学指導が充実している

特進コースなどの上位コースでは大学受験を見据えたカリキュラムが整備されています。また、放課後講習や夏期・冬期講習,模試対策といった学習体制が手厚い点も強みとして挙げられます。難関大学への合格者を多数輩出している私立高校も多くあります。

設備や学習環境が整っている

私立高校では最新のICT機器(タブレット・電子黒板など)や図書館・自習室、冷暖房の完備された校舎など、学習環境への投資が積極的です。学びの場としての快適さが魅力です。

校風やコース選択の自由度が高い

教育理念や校風が学校ごとに異なり、多様性が豊かです。ICT教育や国際教育に力を入れている学校も多く、独自の特色を活かした教育が展開されています。宗教教育や国際教育、探究学習などを特色にした学校があり、生徒の志向に応じて個性を伸ばせる環境が整っています。

私立高校のデメリット

学費の負担が大きい

私立高校では授業料のほかに施設費や教材費、特別講習費などがかかり、年間で70万〜100万円以上になるケースもあります。ただし、国・県の就学支援金や学費補助制度を活用することで負担を軽減できます。

通学距離が遠くなることも

通学圏が広いため、電車で片道1時間以上かかるケースも珍しくありません。朝が早く帰宅が遅くなるなど、生活リズムへの影響も検討が必要です。

メリット・デメリットまとめ

まとめるとこんな感じです。

公立高校 私立高校
◎ 安い授業料・費用× 高い(ただし助成制度あり)
△ 高校による学習サポート体制◎ 手厚い高校が多い
△ 高校による設備面の充実度合い◎ 充実している高校が多い
× 画一的な高校が多いカリキュラムの柔軟性◎ コースごとに設定されている
ことが多い
◎ 比較的自由度が高い校風・校則× 厳格な高校が多い

こんな人は公立向き・私立向き

公立も私立も一長一短があります。参考までに…

公立高校が向いている人

  • 地元でのびのび過ごしたい
  • 経済的な負担を抑えたい
  • 自主的に勉強や活動を進められるタイプ
  • 学校外での活動(塾・スポーツ)と両立したい

私立高校が向いている人

  • 大学受験を見据えて手厚い指導を受けたい
  • 設備や学習環境を重視したい
  • 学校の特色(国際・芸術・進学など)が自分に合う
  • 校風や雰囲気が自分に合っていると感じる

後悔しない高校選びのために

高校選びにおいて最も大切なのは「自分に合っているかどうか」です。そのためには、以下の行動が欠かせません。

オープンスクール・学校説明会に参加する

実際の校風や生徒の雰囲気はパンフレットだけではわかりません。高校を自分の目で見ることで、志望校選びの精度が格段に上がります。

中学校の先生や家族としっかり相談する

学校推薦や併願優遇の可否、成績の評価などは担任の先生の協力が必要です。また費用面では保護者の理解・協力が必要です。私立を志望する場合はしっかり相談しましょう。

入試制度と併願戦略を理解しておく

私立と公立のスケジュールを把握しましょう。併願優遇や単願推薦などの制度を正しく使えば、合格の可能性が広がります。

まとめ

公立高校には安定感と地域性、私立高校には柔軟性と専門性があります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解し、学校見学や説明会を通じて「自分に合った進路選び」をしていくことが大切です。

しかし「公立か私立か」の選択は、高校選びのポイントの1つにすぎません。部活動や大学の進学実績など他にも注目する点は多いです。一人ひとりの目標や価値観、性格によってベストな答えが異なります。

焦らず情報を集めて、納得のいく高校生活の第一歩を踏み出しましょう。